里山

広範な森林破壊は木材供給の逼迫をもたらしたのみならず、山林火災の増加、台風被害の激甚化、河川氾濫の増加など様々な災厄を日本列島にもたらすこととなった。

 

森林保護政策

徳川幕府は1666年以降、森林保護政策に乗りだし、森林資源の回復促進と厳格な伐採規制・流通規制を敷いた。こうした抜本的な対策の結果、日本列島の森林資源は何とか回復に転じ、里山の「持続可能な」利用も実現したのである。
だが、近世の「持続可能な」里山利用は近代に入ると3度の危機に瀕することになる。最初の危機は明治維新前後で、旧体制の瓦解とともに木材の盗伐・乱伐が横行し、里山の森林は急激に失われた。その後、社会の安定とともに里山の植生は一定の回復を見るものの、太平洋戦争が始まり物資が欠乏すると再び過度の伐採が行われ、各地に禿げ山が出現していった。この時には軍需物質として大木が次々に供出させられたとされる。戦中・戦後の乱伐からの回復は、 1950年に始まる国土緑化運動の成果を待たねばならなかった[5]。 そして3度目の危機が、現在まで続く里山の宅地化・里山の放置である。1955年頃から始まった家庭用燃料の化石燃料化は、1975年頃には完全に終了し、家庭用燃料としての薪・木炭は娯楽用途を除きほぼ姿を消していた。また化学肥料の普及、使役家畜の消滅も里山の経済価値を失わせる方向に作用した。
こうして経済価値を失った里山は、1960年代に入ると次々に宅地化されて消滅していった。中でも大規模なのが千里ニュータウン、高蔵寺ニュータウン、多摩ニュータウン、千葉ニュータウンなどのニュータウン群であった。これら郊外の宅地化は、高度経済成長時代に都市に流入した労働力に住居を供給する為のものだった[6]。宅地化を免れた里山も、利用価値の殆どが失われた為に放置され、人間の関与が失われたことによる植生の変化(極相林化や孟宗竹の侵入による竹林化)、不法投棄される粗大ゴミや産業廃棄物による汚染に曝されている。
里山

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